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【北アルプス4泊5日大縦走】黒部五郎岳、巨大なカールに支えられた名峰、黒部の盟主に出会い日本の最深部に迫る山旅【中編】


2015年9月23日(水)~27日(日)
北アルプスをテントを担いで、4泊5日で縦走してきました。
本記事では2~3日目の様子をお届けいたします。

黒部五郎岳の感想としてはとにかくカールがすげぇ。でも天気が残念だったのが悔やまれる。


2日目に黒部五郎岳に登頂した後、3日目は雲ノ平を散策するはずでありましたが、悪天候により3日は停滞へ変更。山小屋で一日ゆっくりしたのも、また深い想い出です。

それでは記録をどうぞ。

9月24日(木)ー2日目


4時に起床。この日の朝食はカレー。登山をしていると、味の濃いものが食べたくなります。


テントから顔を出してみると、きれいな朝焼け。この日も晴れてくれるかなぁと期待していましたが、そんな淡い期待はすぐに裏切られることに


ともあれ、ここのテン場はとても快適でした。キャンプ場にしてはキレイ目なトイレでしたし、水場も完備。薬師岳に抱かれながら眠るというナイスポジションでしたので、再訪必死のキャンプ場でした。


遠くには青空なんかもかすかに見えていたりもしたので、なんとなく天気も大丈夫かなぁと思っていましたが、結論から言うと途中から雨が降ってきました。テント装備で雨はきつかったです。


6:30。テントを片付けて太郎平小屋まで戻ります。ここの景色が何気にトップレベルに記憶に残っています。とてもきれいでした。

そしてここですれ違った一人の男性に「今日は午後から雨が降りますので、早めの到着を心掛けてくださいね」と声をかけられました。山ではこういう声かけが非常にありがたいです。


振り返れば前日に登った薬師岳。デカいですねぇ。そして白い山肌がとてつもない風格を醸し出しています。


分岐に到着です。黒部五郎岳方面へ進むことにします。


ちなみにこの日の行程はこんな感じです。午後から雨が降るとのことなので、雨脚次第では三俣山荘まで行くのは諦めて、黒部五郎小屋でテントを張ってもいいかなぁという具合です。


何度も振り返ってしまう薬師岳。初めて足を踏み入れた北アルプス北部。南部とは違った大人な山旅といった印象を抱きました。


遠くに見えるは、、白山か?


草紅葉が見事です。序盤は足元も舗装されていますので、歩きやすく、寝起きの身体を温めるには十分な登山道です。


このギザギザは水晶岳でしょうか。


奥のこんもりしたピークは鷲羽岳かな。鷲羽岳は2017年の酉年に登るべき山にリストアップされています。


水晶岳・鷲羽岳の手前側には、日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平があります。


写真左のピークがこれから登る黒部五郎岳。すごい急登です。。そして、右のピークは笠ヶ岳。こちらも山頂直下はえげつない急登です。



ゆるやかなハイクが続きます。人が一人も歩いていなくて、静かで穏やかな時間が流れていました。


8:14。北ノ俣岳に到着。遠くには槍ヶ岳も見えました。曇天の高曇りのくせに、遠くまで見渡せる不思議な天気。ちなみにいつ雨が降ってきてもいいように、ザックカバーを付けています。


写真右は御嶽山、左は乗鞍岳でしょうか。いずれも3,000m以上の高峰です。きれいなシルエットをしています。


右から御嶽山、乗鞍岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳。もしかしたら、真ん中のくぼみから少しだけ見えるのは焼岳なのかな?


いやいや、贅沢な展望台です。北アルプスの名峰ぞろいですね。


水晶岳、鷲羽岳、雲ノ平、槍ヶ岳など。とてつもない最深部に迫りつつあります。



8:50。赤木岳に到着。ここから黒部五郎岳までグイっと登らせるらしいです。気を引き締めねば。


ぎょえっ。ほんとすごい坂ですね。。見て見ぬふりをして歩き始めます。


この日の雨は仕方ないにしても、翌日はどうなのかなぁと考えながら歩きます。もし晴れてくれれば、雲ノ平近辺の散策をしつつ、高天原温泉にも入りに行きたいなぁと、そっち方面を見ながら歩いていきます。


ズドーンと構える黒部五郎岳。写真では伝わりづらいですが、ここから見る迫力はすごいです。前日の薬師岳にも劣らない風格!




じつはこのときすでに結構バテていたため、写真を撮って小休止作戦を発動させています。自分の体力に見合わず、薬師岳を高速ピストンしたのがいけなかったかもしれません。


ちゃんと身の丈に合った登山をしなければいけないなぁと反省しながら急登を登っていきます。


足元も少しザレていて若干歩きづらいのもツライ。


急登と戦っていた時間は辛かったので、あまり写真がないのですが、遠くを見渡せば槍穂。ほんと、曇りのくせに遠くまで見渡せたのは幸運でした。


写真では小さすぎて見えませんが、右真ん中あたりに黒部五郎小屋が見えます。その奥には三俣蓮華岳、双六岳?が見えます。


ここに来て、ようやく雲ノ平をはっきりと捉えることが出来ました。水晶岳・鷲羽岳の手前にある、平たい大地が雲ノ平です。


振り返れば前日に登った薬師岳がそこにありました。風格超一流。と、いうことで、


11:13。黒部五郎岳登頂


山頂からは北アルプスの王者槍ヶ岳と、おにぎり笠ヶ岳を同時に眺めることが出来ます。


黒部五郎岳のカールのでかさよ。そしてカール全面が紅葉してやがる。


あのジグザグのコースを降りていくことになります。


黒部五郎岳は、正直通過点のようなイメージしかなかったですが、この展望と巨大カールは、黒部五郎岳だけですね。



ありがとう、黒部五郎岳。


ザレた斜面を下っていきます。


黒部五郎岳の肩まで戻ってきました。じつはザックをデポってピストンしました。


肩から見る黒部五郎岳。ここは夏の時期にまた訪れたいですし、ちゃんと晴れた時に登ってみたいものです。


さっきの山頂から見えたジグザグルートを下っていきます。少し滑りやすいので足元に注意です。


カールのふもとまで下りてきました。


振り返ってみると、そのカールが壁のように立ちはだかっています。それよりも何よりも、紅葉がすごいので、晴れてるときに見たかったぜ!


ところどころに赤い葉が見えるけど何なんだろう。とか考えていたら、雨がぽつぽつと降ってきました。黒部五郎岳までは善戦したのに。。三俣山荘までは行けそうにないから、黒部五郎小屋に泊まるかなぁと考え始めました。



いや、ほんと奥深い。山深い。北アルプスの最深部って感じがします。ここはいつの日かもう一度歩いてみたい。


13:21。黒部五郎小屋に到着。


見てのとおり雨脚も強まってきて、とてもテントを張れるような感じではなかったので、小屋泊にしようかと思いましたが、小屋の受付の天気予報によれば、翌日は終日雨とのこと。


ということは、翌日は移動せず、小屋で停滞して体力の回復と、装備の乾燥をした方がよさそうかな?と思い、三俣山荘まで行くことに決定。黒部五郎小屋に宿泊してしまうと、笠ヶ岳まで歩く距離がかなり長くなってしまうので、できればこの日のうちに三俣山荘まで行っておく方がよいかなという判断です。

しかし、この判断が合っていたかどうかはわかりません。正直、黒部五郎小屋に泊まった方がよかったかもしれません。というのも、若干シャリバテ状態に陥ってしまい、三俣山荘までの2時間半が永遠とも思える地獄でした。しかも雨脚は強まる一方で、風も同時に出てくる始末。。

一眼レフが壊れないようにザックにしまってしまったので、この2時間半の写真は一枚もございませんで、ご了承を。



どうにかこうにか三俣山荘に到着し、山荘の乾燥室でレインウェアなど干させてもらって、シャリバテを解消すべく持ってきたご飯を食べます。ちなみに小屋の中に自炊できるテーブルが並んでいますので、その一角をお借りして食べます。


当然ペペロンチーノだけでは足らないので、レトルトの中華丼も一緒に食べました。とりあえずお腹は膨れて少しずつ体力も回復してきたので一安心。

この後は山荘で知り合った見知らぬ山人の方々とお酒を飲みながら談笑。その中には北アルプスを海抜0m(日本海の親不知海岸)から登るチャレンジをしている方もいました。10泊以上するとか言ってたっけな。。酔狂な人もいるもんです。

この日はどんどん天候も悪くなる一方で、テント泊は即却下し、小屋泊(素泊まり5,500円)でお世話になりました。平日であるため、余裕で布団は1人1つ。屋根を打つ雨音を聞きながら、長時間の歩行の疲れから、すんなり眠ることができました。

 

 

9月25日(金)ー3日目

5:48。目が覚めてもまだ雨音は続いていました。本来であればこの日のプランはこんな感じ。


三俣山荘を起点に、雲ノ平や高天原温泉を巡る予定でしたが、こんな調子で歩いてもなぁ、、でもなかなか来れるエリアじゃないしなぁ。。と悩みます。


とりあえず朝ご飯を食べて時間を潰します。この日の朝ご飯も持ってきたフリーズドライ。今までフリーズドライって嫌いではなかったけど、毎食毎食フリーズドライは、意外に飽きる。味を変えても飽きます。

というか、お腹は膨れるけど、エネルギーになっている気がしない。この旅で少しフリーズドライを嫌いになりました笑。


朝食後歯磨きしながら外に出てみると、濃霧。雨。風。


標高2,500mでこんな天気の中歩くのは怖すぎるので、幸いにもあと3日行動できるのでこの日は断腸の思いで停滞することに。中にはこの日下山しなければ行けないという人もいたりして、安全に下山できるように祈りながら見送ったりしていました。


山荘にはテレビがついており、天気予報を見る限り、この日は終日アウトっぽい。雲ノ平には「また来ればいいよ」というメッセージだと受け取り、無理せず、小屋でグダグダして体力回復に努めることに。



山荘内にはきれいな食堂があります。



ちなみに、ここで提供されるサイフォンコーヒーは名物です。なんと35年の伝統があるようです。厳しい自然環境の中、山で疲れた登山者を癒す小屋を回し続けるのはとても大変でしょうね。僕も助けてもらっていることを実感しながらコーヒーを頂きました。


お昼にはここの食堂でカレーを頂くことに。3日ぶりのちゃんとしたお米を食べて、ほんとうに美味しかったです。フリーズドライとはまるで違うツヤとハリ。一口噛みしめるごとに広がるお米の甘さがたまらなかった。

フリーズドライもすごいんだろうけど、やっぱりちゃんと炊いたお米には到底勝てない。量はフリーズドライ1食分と変わらない量だったけど、ここで食べたカレーの方が、身体は温まるし、エネルギーになった気がしたし、何より元気になったことを実感しました。縦走するときは、持参するご飯はほどほどにして、小屋でご飯を食べる機会を増やすのは、全然ありだなぁと思った瞬間でした。


この後、割り当てられた布団でお昼寝したり、山の雑誌を読んだり、お酒を飲みながら再び談笑したり。ソロで縦走しに来たのに、いつの間にか仲間が増えていることに気付いて、こういう出会いっていいなぁと思うようになりました。


ちなみに僕が訪れたシルバーウイーク期間はビールは売っておらず、日本酒のみでした。

そしてこの日は夕食の時間帯まで雨が止むことはなかったので、この日もテントはやめて小屋泊(素泊まり)することに。なんと連泊割引があり、5,000円で泊まることが出来ました。ちなみにこの連泊割引は山荘間でも連携できるみたいで、三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋で適用されるようです。前日に違う小屋に泊まっていたとしても、その領収書を見せれば500円割引されるはずです。


夕食はどうやらチキンカツのようですが、夕食だけで2,500円ぐらいすることと、持ってきた荷物を減らしたかったので、我慢してまたしてもフリーズドライを食べました。下山したらカツをたらふく食べてやると誓いました。

この三俣山荘はとても居心地がよく、スタッフの方々も気さくな方ばかりでたくさんお話しさせてもらいました。この小屋はまた訪れてみたいものです。

翌日は雨はなさそうで、午後から晴れるとの予報が出ていました。1日ゆっくり体力回復させたから、笠ヶ岳までもなんとか歩けそうです。

翌日のために、この日は早めに就寝しました。

 

 

 


黒部五郎岳。カールが魅力な山でした。カールで有名な山はほかにもたくさんありますが、人気エリアの山とは違って、静かで独特な雰囲気を持つ山でした。雨で大変な登山になってしまったけど、山頂に着くまで我慢してくれたことは幸いでした。


そして2日もお世話になっちゃった三俣山荘。小屋で出会った人たちと山談笑をしながら過ごすゆったりとした時間は、山ならではだなぁと思いました。

「雨で停滞するなんてもったいないかなぁ?」と決断前は決めあぐねていたのですが、実際に山荘で過ごした時間も大事な思い出の一日となりました。

 


次回は北アルプス4泊5日大縦走の最終章です。

北アルプス南部エリアに足を踏み入れ、笠ヶ岳まで一気に縦走します。

お楽しみに。

 

アルプスの地図はこちら↓

山と高原地図 日本アルプス総図 2017 (登山地図 | マップル)

山と高原地図 日本アルプス総図 2017 (登山地図 | マップル)