2015年10月9日(金)
雨飾山(あまかざりやま)に登ってきました。標高は1,963mあります。有給を取得しての平日登山です。
新潟県と長野県の県境に位置しており北アルプスよりも遠く、非常にアクセスしづらい山であります。
しかしながら辺鄙な場所にあることは全く苦に感じさせないほどの素晴らしい秋の芸術を見ることが出来ます。
秋を追いかけ上信越へ繰り出した記録です。
10月9日(金)
前日の10月8日(木)の仕事をパパっと片づけて、出発の準備に取り掛かります。
ちなみに雨飾山はこんなところにあります。
10月8日(木)の最終高速バスを利用して、新潟駅へ向かいます。「え?新潟?」と思われた方、さすがです。そう、実はこの週末に新潟で予定があったため、新潟を拠点に動くことにしました。
ということで、こんな感じの移動になりました。無駄な移動になったことは否めませんが、用事がある以上は仕方ありません。
---深夜1:28。新潟駅に到着しました。
今回の旅の同行者とラーメン屋「麺五郎」で待ち合わせをしています。
発見しました。金子氏です。本ブログでの時系列が逆になってしまいましたが、最近では「袈裟丸山」に一緒に登っています。
ラーメンを食べ終わった後、約4時間、車を走らせて本日の登山口である「雨飾高原キャンプ場」に6時頃到着しました。平日にも関わらず車がたくさん止まっています。他のハイカーも同じように紅葉を狙っているんですね。
しかし好天予報なのにこの空模様は果たして。。。
予想通り雨が降ってきたので、しばし車の中で仮眠をすることにしました。
しかしなかなか眠れないので、登山口付近をブラブラ。
山頂までは3時間半かかるようです。
8:41。眩しい光に目を覚ますと、カラッと晴れた空模様。まったくヒヤヒヤさせやがって。。そしてさっきよりも車が倍以上になっていました。
9:00。カラッと晴れた天気を目の当たりにして、早急に準備して出発することに。
これから登る頂きを目指して。
今日のコースはこんな感じ。雨飾高原キャンプ場からのピストンになります。
おいおい。紅葉どころか新緑みてーだな。
本当に紅葉してんのかよと金子氏とぐちぐち言いながら登ります。
ところどころ秋色に変化している木々を見つけてうれしい気持ちになりながら、平らな木道を20分程度歩きます。
9:14。木道の執着地点に到着です。ここから本格的な登りが開始されます。登山口は1,100m程度なので、約800m登ることになります。
金子氏は雨飾山がどんな山か知らされずに連れてこられて、最初はグチグチ言っていました。
「まぁまぁ、いずれしっかりした紅葉を見れるはずだから」となだめながらゆっくりと歩いていきます。
見上げれば山肌が秋色に染まっているのを見てとれます。
振り返れば黄色の葉が目立ちます。
なだらかな登山道はとても歩きやすく、またこの日は気温も高めであったため、汗がじんわりと吹き出してきます。少しずつ色の種類が増えて見どころが増えてきてくれました。
「雨乞いのポーズ」。なんちって。
肌で感じる秋。触れて感じる秋。
金子氏は登山するのは久々のようで、序盤から調子が上がらず四苦八苦していました。
真っ赤な葉。赤だけではない色使いが雨飾山のすばらしさを引き立てています。
10:14。コースタイム通りです。山頂まであと2時間です。
金子氏がヒィヒィ言っています。これからもっと急登になるというのに大丈夫なんでしょうか。
茶色い色使いがまた渋さを演出しています。紅葉狩りにはもってこいのお天気で嬉しい限りです。
木に直接○印が書かれたペンキマークがありました。
絵画のような一本の木がすらっと立っていてきれいに色づいていました。
歩けば歩くほど表情を変える登山道は全く飽きることなく、楽しませてくれます。
地元にこんな山があれば、毎年登りに来てしまいそうです。
新潟と長野の県境という場所的ネックさえなければ、もっともっと登山客も増えるんだろうなぁと思いましたが、それでも平日であることを考えればその名峰っぷりを物語るほどの人が訪れていることは間違いありませんでした。
10:43。布団菱を見上げることのできるポイントに到着。
とげとげしい岩峰が目立ちます。
この山肌が一面に染まるこの時期に来れて良かった。
すげぇぇよ。。雨飾山すげぇよ。
これが雨飾山の本気か。半端じゃねぇ。紅葉はきらびやかな着物のようにも見え、布団菱の色白な肌により、着物をまとっている女性的な山にも見えてきました。
太陽に照らされて色合いがより濃く表現されています。こんなものを生で見てドキドキしないわけがない。
雨飾山エロすぎる。鼻血出ちゃう。
今までもいろんな紅葉を見てきましたが、ここまで芸術性の高い紅葉はなかったかもしれません。
異常なまでに赤い頂がありました。あそこだけ唐辛子がかかっているようです。
NHK日本百名山スペシャルで放映するとのことで、女優の工藤夕貴さんにばったり遭遇しました。
この後追い抜いていく事になるのですが、クルーの皆さんも元気に挨拶していて和気あいあいと撮影してらっしゃいました。
11:00。荒菅沢の水場に到着。出発してから1時間50分なので、まさにコースタイム通りです。
やっぱり右のピークが唐辛子を振りかけたようにしか見えないんですが。めっちゃ辛そう。
日なたと日陰のバランスがなんともいえない絶妙さ。
荒菅沢を過ぎると、木の梯子などが出てきて一気に様変わりします。汗が止まらない。
黄色と赤の対決。これだけ主張しあっているとうるさく感じますが、雨飾山の場合全体でバランスが取れているように思えてしまいます。
このあたりで工藤夕貴さんチームを追い抜きます。下山中にもすれ違いました。
黄色!!
同じような写真が続いてますが、全く飽きない。むしろ次はどんな景色を見せてくれるか楽しみで仕方ない。
目の前をお年を召した女性がえっちらほっちら登っています。僕も年をとってもずっと登山できるといいな。
神様、ありがとう。青空をありがとう。
金子氏がすでに足がガクガクし始めていて、ペースが遅くなりましたが、急ぐ旅でもないのでゆっくり歩いています。
左手のポコっとした山は焼山でしょうか。その右手は火打山でしょうか。雨飾山の山奥深さを物語る景色ですね。
こんな奥深いところに来ることが出来て良かった。
遠征登山をしていて一番の頭の悩ませどころはやはりお天気です。
せっかく遠くまで来たのに晴れないんじゃ心から楽しめないし、登山で言えばリスクもありますしね。
ヘトヘトな金子氏。
木の梯子が何個か登場します。標高を直に稼げるから嬉しいですね。
金子氏とだいぶ差が離れて歩いていますが、それぞれ写真撮ったりしながら各々のペースで歩いています。
12:09。笹平に到着。ここまで来れば山頂はすぐそこです。そして右を見れば、、、
日本海。山から見る海は格別です。自分の足でここまで歩いてきたんだという実感をかみしめることが出来ます。
右側のギザギザしたピークはなんという山なんでしょうかね。
金子氏もなんとかこらえて追いついてきました。というか標高差800mだから僕も普通に疲れてますけどね。
笹平の稜線を振り返ると女性の横顔に見えるポイントがありました。皆さんは誰の顔に見えますか。
12:51。雨飾山山頂登頂。出発から3時間半ちょっとで到着です。ゆっくり歩を進めましたが、コースタイム通り登ることが出来ました。
金子氏による雨乞いのダンス。
雨飾山の「あ」の字も知らなかった金子氏でしたが、ここからの眺めには納得がいったようで、ついてきてよかったと言ってくれました。
僕自身、新潟の山に登ったのはこの雨飾山が初めてだと思います。記念すべき一歩になりました。
日本海が格別な景色です。飛び込みたい気持ちを抑えて、膝ががくがくしてヘトヘトな金子氏におんぶしてもらいました。
少し霞が多くなってきてしまいましたので、下山を開始します。再び女性の横顔を通っていきます。
左下に金子氏がとても小さく写っていることで、この山の奥深さを見て取ることができます。
陽が少しずつ落ちてきたことにより、木々の色も午前中とはまた違ってみることが出来ました。少し寂しげというか。
雨飾山の紅葉はどの山の雑誌にも登場するぐらい有名な山なので、無事に来ることが出来て感無量でございます。
15:26。ゆっくりゆっくり下って荒菅沢まで下山してきました。見上げれば午前中は唐辛子のように真っ赤だったピークが、影に息をひそめ始めました。1日が終わりに近づいています。
下半分はまだ緑が多く占めていますが、これから少しずつ紅葉が麓に下りてくるんでしょうね。
やはりこの布団菱の迫力は圧巻です。雑誌でしか見たことがなかった雨飾山をこの目で見ることが出来て、本当に良かった。
無数の色が主張しあっていますが、またお互いを引き立てあっています。雨飾山ありがとう、また来るよ。
樹林帯に入った後は、さくさく木道を歩いて下山しました。
16:50。下山完了。地サイダーで乾杯した後は、お風呂に入りに行きます。
ほど近い雨飾荘にやってきたのですが、営業時間外だったので、、
道の駅小谷に併設されている「深山の湯」に立ち寄りました。日帰り620円ですが、併設されている食堂でご飯を食べれば入浴料が半額になりますので、ぜひ利用してみてください。
この後休憩室で仮眠した後、翌日に登る越後駒ケ岳(魚沼駒ケ岳)に向けて再び新潟方面へ車を走らせるのでした。
紅葉の名所で名高い雨飾山。
アクセスに難のある山ですが、好天に恵まれ、また紅葉のピークを抑えることが出来て、とても満足の行く山旅となりました。
また、これまで見た紅葉とはまた違った雰囲気があり、これまでの山とは一線を画すような風格さえも感じることができる山でした。
なかなか簡単にいく事が出来るような山ではありませんが、ぜひ皆さんも行ってみてください。
雨飾山の本物の地図はこちら↓

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