Season Map

季節を追いかけたエピソードを綴っています

【九州】ぼくのゴールデンウィーク2017~九州本土と屋久島を満喫する8泊9日の旅~①【祖母山-傾山テント泊縦走1日目】


2017年4月29日(土)

祖母山(そぼさん、1,756m)傾山(かたむきやま、1,602m)に登ってきました。
もともとは百名山である祖母山を日帰りするつもりでしたが、ひょんなことから縦走することとなりました。

九州随一の骨太ルートを2泊3日で歩いてみて、ものすげぇ辛かったけど、それ以上に激アツだった縦走山旅の始まりです。
東京を出発してから登山口への移動及び、縦走1日目の記事になります。

 「今年のGWは九州に一人旅をしよう」

そう決意したのは、1月下旬でした。実は前年の2016年3月下旬にも九州を訪れており、その旅の続きがしたかったからです。
2016年に登った山は九重山

そこで九重山が思いのほか楽しく、とてもいい山であることが分かったので、今度は別ルートでも登ってみたいと思い、当初、九重山再訪は九州遠征のメインテーマでした。
残りはどこの山に登ろうかなと悩みながら、祖母山でも登りに行ってみるかと地図を眺めていると、、

ん?!?!縦走コース?!?!
「祖母山に縦走コースなんてあるんかい?!」と興味を持ったのが始まりでした。
そこからいろいろ調べてみると、なんと九州でもトップレベルの縦走ルートとされており、九州の岳人であれば一度は歩かねばならないとも言われているとのこと。
これは、、これは、、めちゃくちゃ興味ありますわ、、

歩いてみたい!と思うのが当然でしょう。この時点で九重山の再訪よりも、祖母山の縦走が最重要課題テーマとなったのです。
更に詳しく調べてみると、ルートは以下のような形になるようです。

黄色丸の箇所を起点として時計回り/反時計回りどちらでも構いませんが、きれいに一周するようです。(書かれているコースタイムは反時計回りで計算しています)
これを俗に「祖母傾完全周回縦走」と呼ぶらしく、一般的には健脚者は2泊3日で、体力に自信がなければ3泊4日で歩くようです。
ただ、この「祖母傾完全周回縦走」を成し遂げるためには、当然テントを担いで行く必要があり、最低でも1日当たり6時間以上は歩かなければならないという過酷な条件。
体力も技術も根性もない僕がこの縦走を成しえる方法は他にはないものかと模索した結果、妥協案で以下のように歩くことにしました。

①1日目に歩く距離を短縮することにしました。

→ピンクでS(スタート)と書かれている登山口から登る。
②3日目はテント泊装備の重さを考えて、テント場に荷物をデポって傾山をピストンして下山することにしました。

→実は完全周回する場合とさほどコースタイムは変わらない。であれば体力温存で、なるべくテント泊装備を背負っている時間を短くする作戦です。
③3日目の下山後に、バスで移動して車を回収する。

→レンタカーを止めてある1日目の登山口まではバスで移動することに。

この3点を妥協すれば、なんとか僕でも完全周回縦走とはいかないまでも、祖母傾縦走が成しえると考え、実行することにしました。
あとは、この3日間はオールピーカンでないと、自分の中での決裁は下せませんでした。なぜなら熊出没の目撃情報があるからです。
九州では熊が絶滅したと言われていますが、この祖母山系には実はクマがいるのではないかと言われています。
雨が降ったり、ガスに包まれると、視界も悪く、聴力も思っている以上に低下するため、人間、クマのお互いにとって気付きづらい環境が出来上がってしまいます。
お互いに「人がいるよ」「クマがいるよ」と気付かせ合うためにも、晴れた日であることが必須条件です。
出発直前の天気予報でも、安定的な3日間になる予報だったので、満を持して決行することにしました。
前振りが長くなってしまいましたが、それではGW初日の朝から振り返ってみましょう。

成田空港を出発


6:41。朝一のジェットスターに乗り込むために、第3ターミナルへ移動します。

腕を組んで第3ターミナルへ移動するカップル。遠征先の夜がお楽しみですね。けっ。

一人旅である寂しさを感じながら、機体に乗り込みます。熊本空港行です。

離陸した後、きれいな雲海を眺めてアッパレな天気に満足しながらウトウトし、貴重な睡眠時間を確保しました。

目が覚めると、見事な曇天。おい、高気圧どうなってんねん。

ということで10:04。熊本空港に到着です。前年の2016年の九州旅行は熊本空港から東京へ帰ったので、その旅の続きがここから始まります。いわばセーブポイントです。

登山口への移動


熊本空港から手配していたレンタカー屋へ行くために送迎バスに乗り込み、店舗まで行きサクっと手続きを済ませました。
まずは縦走に絶対に必要なガス缶を入手しに行きます。(ガス缶は飛行機で運べないので現地調達必須です)

モンベル南阿蘇店に向かう途中、全面通行止の区域がありました。地震、大雨、噴火、あるいはただの工事なのかわかりませんが、大きな傷を負っている熊本にまた来れました。お金を落としに来ましたよ。

10:56。道の駅「あそ望の郷くぎの」に到着。ここの道の駅からは阿蘇山がドーンと見えるらしいですが、この日は曇天のため見えませんでした。

そしてモンベルは、この道の駅の中に併設されています。無事にガス缶を入手することが出来ました。

ってオイ。これからの縦走を不吉な予感がよぎるじゃねぇかよ。見なかったことにします。。

ちなみに今回借りたのはホンダN-Box。軽自動車ながら広い車内で荷物が多くても安心です。テントを持ってきているので宿泊地にも困りませんが、万が一雨が降った時にも車中泊できるようにN-Boxを指定しました。つまりホテルは予約していないということです。行き当たりばったりの旅ですね。

道の駅内をブラブラ。縦走で必要になりそうなおやつや食材を買いました。何を買ったかは随時紹介していきたいと思います。ここからは登山口まで一気に移動しました。

ということで13:54。祖母山の登山口である「尾平」に到着です。

祖母山~傾山縦走スタート


13:56。アタック開始です。かなり遅めの部類に入りますが、この時期の日没は19時頃であること、この日のコースタイムは3:50であることから、なんとかいけるやろと思いながらも、やはり不安もあるので足早にスタートします。

ちなみに登山届はめっちゃ詳しく書いておきました。歩いたことのない山域を、しかもソロで歩くなんて、怖いですからね。

トイレもあります。そしてこのトイレ、実は無料のWi-fiが繋がります。豊後大野市半端ねぇ。

ちなみに縦走1日目のルートはこんな感じです。9合目小屋でテント泊予定です。

九州で唯一熊が出る山域とか言うので、どんだけ山深いのか不安でしたが、きちんと標識はありました。

登山口は標高600mです。

腕時計の標高も合せておきました。自分の標高を確認して、地図を見れば、だいたい自分がどのあたりを歩いているのか把握できます。これは遭難したとき(したことないけど)に、重要な情報になります。

初日は4時間も歩かないから楽ちんだあと気が緩んでいましたが、よく考えたら祖母山は1,756mありますので、1,100m以上登ることが必要です。しかもテント泊装備で。

いきなり「大丈夫かしら?」と不安になりますが、煌びやかな新緑マイナスイオンを浴びながら一歩一歩登っていきます。

ちなみに尾平から登る場合には、宮原コース黒金尾根コースを選択できます。黒金尾根から登ると、2日目の縦走コースと一部ダブりが生じるので、僕は宮原コースを選択します。


つり橋を渡ります。意外に揺れるし狭いので、複数人でのすれ違いは避けた方がよいと思います。まぁ僕は一人なんで大丈夫ですが。


水がめちゃくちゃキレイです。

つり橋を渡り終えると、緩やかな坂道が延々と続きます。テント泊装備に加え、食料を山の中では調達することが出来ませんので、3日分の食料がパンパンに詰まっています。お、重い。。

遠くの方でザザッっと音が聞こえたので、クマか?!と思いましたが、シカでした。画面真ん中に白い物体が見えると思いますが、シカのお尻です。

14:19。標高700m。残り1,000mです。

こんな午後から登る人いないので、周りを見渡しても、誰もいません。ピンクテープが頼もしいです。

14:32。標高800m。残り900mです。


14:46。標高900m。残り800mです。正直見どころが全くありません。すでに疲れた。。早くテントでグダグダしたい。

しかしこんなに誰ともすれ違わないもんなんか。祖母山ってそんなに人気ないんか、と愚痴をダラダラ言いながら進みます。

徐々に斜度が増してきて急登になります。

15:09。標高1,000m。残り700mです。

15:22。標高1,100m。残り600mです。

スミレ。

新緑。

15:38。標高1,200m。残り500mです。ようやく1日目の半分を超えたところでしょうか。見どころないし、まだ半分とか拷問かよと一人で悪態をつき始めます。

と思いきや、アケボノツツジが姿を現しました。

ちょうどいいタイミングで曇天だった空模様から青空も見せてくれたので、体力も少し回復。

15:56。標高1,300m。残り400mまで来ました。ここまで来れば日没の心配もなくなったので一安心です。

前週に陣馬山~高尾山縦走でたくさん見たミツバツツジとはまた違って可愛い色合いです。

登山道上にはあまり咲いておらず、遠くの方に咲いていたので近くに寄れないのが残念だけど、それでも見どころが出てきたのは素直にうれしい。

ここまで来ても誰一人すれ違わず、本当に熊でも出てくるんじゃねぇかというぐらい、うっそうとした登山道だったので、陽の光が届くようになると、少しだけ気持ちの面でも安心できます。

16:17。標高1,400m。残り300mです。

地図上で「小広場あり」というポイントに到着。

コンディションが悪くてペースが上がらなかった場合、最悪ここでテント張ればいいやと思っていた箇所です。まだ体力的には大丈夫なので、当初の目的地の9合目小屋までは頑張れそうです。

ミツバツツジ



アケボノツツジとは違って、男性的な花のように感じます。花弁が少し尖っているからかな。

16:38。標高1,500m。残り200mです。

ここにきてようやくまとまった休憩を取りました。先ほどの道の駅で調達した熊本すぃーとぽてと。

これは自宅から持参したフィッシュソーセージ。行動食にぴったりです。

・・・。なんか食べる気失せるな、この絵は。。まぁ食べましたけど。

祖母山。どっしりと構えている山容です。写真では見づらいですが、右側の中腹に9合目小屋が見えます。

9合目小屋アップ。あと少しですね。

山の斜面にはミツバツツジがびっしり。

一か所だけ通行注意の箇所がありました。右側に転落すると戻ってこれないと思われますので、すれ違い不可能です。ゆっくり安全に。

17:09。標高1,600mです。残り100mまできました。

陽がだいぶ西に傾いてきましたが、目的地まであと少しです。

9合目小屋の標識も現れ始めて、張り詰めていた心の糸が少しずつほぐれていきます。

17:16。9合目小屋のテント場に到着。出発から3時間20分で着きました。僕が着いたときは2張だけでした。標高差残り100mは翌日に回す形となりました。

テント場は大きく2つのスペースに分けられてて、小さい方は4張程度、大きい方は6張程度で、トータルでも10張ぐらいが限界かと思います。この日、最終的にはトータルで6張でした。

ちなみに今回僕が縦走したルート上において、地図にテントマークは一か所もありませんが、現地には天場という看板が随所にありましたので、張っても問題ないと思います。

テントの受付をするために9合目小屋に挨拶。すでに小屋泊の方たちで宴会が始まっていました。楽しそう。こういう出会いが山ではたまりませんよね。ちなみにここの小屋は避難小屋という位置づけなので、食事は全て自分たちで調達する必要があります。
小屋泊ならば1泊2,000円~2,300円(季節によって違う)です。小屋の中では松任谷由実の「卒業写真」が流れていました。


二階は覗きませんでしたが、聞いた話だとキャパはそれなりにあるようです。

ちなみにテント料金はここには書いてありませんが、1泊200円です。小屋のマスターに「テントは今日は全然いないのか?」と聞かれて、「いや、下には2張ありましたよ」と言うと、「あ、そうなの?」と言っていました。もしかするとその2張は受付せずに張っていた可能性がありますが、真意は分かりません。ちゃんと受付してから張るようにしましょうね。

テント・小屋泊の方であればトイレ利用料は無料です。午前10時までなら使い放題ですと小屋のマスターに言われました。

9合目小屋で受付完了してからテント設営。今夜の自宅が完成しました。

今回、ザックを重くしている原因の一つにビールがあります。500ml×2本背負ってきたので。。でも縦走でビールを飲めない方がつらいので頑張って背負ってきました。サッポロが買えなくて、アサヒで妥協。ちなみにみかんも道の駅で購入しました。

こちらは道の駅で購入したから揚げ。テント泊装備で標高差1,000mを駆け上がった後に食べる肉とビールは犯罪的旨さ。

から揚げとビールでちびちびやっている間に、パスタを茹でます。今夜はミートソースパスタです。

出来上がり。あったかい食事が体の隅々に行き渡り、一気に体力回復。

ご飯を食べ終えて外に出てみると、サンセットの時間でした。

山頂まで15分程度で行けるので山頂から見ようかとも思いましたが、翌日のご来光の方が楽しみなので、この日ピークを踏むことはしませんでした。

ちなみにこのテント場から少し下ったところに水場もあります。縦走ルート上に水場がないわけではありませんが、場所によっては登山道からかなり下らされたりしますので、ある程度ここで汲んでおいた方が得策かと思います。

ちなみにここの水場は12m下るだけなので、そこまで負荷ではありません。

から揚げとパスタでお腹を満たした後は、道の駅で買ったみかんをデザートにほおばり、この日は終了。
星空撮影とかしようかなとも思いましたが、2日目のコースタイムは8時間半もあり、細かいアップダウンがかなりあるので、早々に就寝しました。少し風が強かったので夜中に1~2回起きましたが、4月のテント泊にも関わらず寒いと感じることもなく、比較的ぐっすり眠れた方だったと思います。

1日目を終えて


祖母山は当初、ちゃっちゃと日帰りをする予定の山でしたので、優先度は低く、百名山じゃなかったら登りに来ない山だったと思います。
しかし調べていくうちに九州で第一の縦走路であることが分かり、出発前から絶対に歩かなきゃいけないルートへと変わっていき、この旅で絶対成し遂げるべき山旅と変わっていきました。

まだまだ全貌を見せない祖母山と縦走ルートに若干怯えながらも、その期待に胸を膨らませて寝袋にくるまった夜を、今でもよく覚えています。
500mlのビールと、パスタを消費したことにより若干の荷物の軽量化もできたと思うので、翌日の縦走も頑張れるかなと、初日から上々の仕上がりとなったのでした。


2日目は縦走の核心部に迫ります。お楽しみに。

 

祖母山、傾山の本当の地図はこちら↓

山と高原地図 祖母・傾 大崩山 2017 (登山地図 | マップル)

山と高原地図 祖母・傾 大崩山 2017 (登山地図 | マップル)